近年、塗料業界で注目されている「ラジカル制御塗料」。
この名前を聞いたことがある方も多いかと思いますが、実際のところ、どのような特性を持つのか、どんなメリットがあるのか、知っている方は少ないのではないでしょうか。
この記事では、ラジカル制御塗料の基本から、その魅力や特性、メリットについて解説していきます。

□ラジカル制御塗料の基本とは

ラジカル制御塗料は近年、塗料業界で注目を集めていますが、その中でも「ラジカル」という言葉がキーワードとなっています。
では、この「ラジカル」とは何なのでしょうか。

ラジカルとは、酸素や紫外線、水などが顔料と接触した際に発生する、塗膜の劣化を引き起こす要因を指します。
この劣化因子、ラジカルの発生を効果的に抑えるのが、ラジカル制御塗料の主な役割です。
その結果、塗膜の劣化を長期間にわたって防げます。

2015年に日本ペイントから発売されたこのラジカル制御塗料は、従来の塗料とは異なる特性を持っています。
具体的には、アクリル樹脂系やシリコン樹脂系といった従来の塗料をベースにしつつ、特殊な成分が追加されています。
この特殊な成分の配合により、他の塗料とは一線を画す性質を持つようになりました。

また、ラジカル制御塗料の仕組みを深堀りすると、高耐候酸化チタンという成分がラジカルの発生を抑える役割を果たしています。
さらに、光安定剤という成分が配合されており、これによって発生したラジカルの発散を抑える効果があります。
これらの成分の相乗効果により、劣化しにくく、高い耐候性を持つ塗膜を形成できるのです。

このような基本的な特性を理解することで、ラジカル制御塗料の真の価値やメリットがより明確になります。

□ラジカル制御塗料のメリット

このような基本的な情報を踏まえた上で、ラジカル制御塗料の具体的なメリットについて見ていきましょう。

*コストパフォーマンスに優れる

ラジカル制御塗料の最大のメリットとして、高い耐候性を持ちながらも、コストが比較的安い点が挙げられます。
シリコン以上フッ素樹脂並みの耐候性があるにもかかわらず、1缶当たりの値段は、シリコンより少し高いくらいです。

*光沢性と低汚染性

ラジカル制御塗料は、高い光沢性を持つことで、低汚染性にも優れています。
これにより、汚れや雨だれなどの汚染に対しても、優れた効果を発揮します。

*美観の保持

ラジカル制御塗料は、塗膜の劣化やチョーキング現象が少ないため、美観の保持が長持ちします。
この特性により、建物や物件の外観を長期間キレイに保てます。

□まとめ

ラジカル制御塗料は、その特性やメリットから多くの方々に選ばれている塗料の一つです。
高い耐候性やコストパフォーマンス、美観の保持など、多くの魅力を持つこの塗料を、適切に選択し活用することで、より良い塗装結果を得られるでしょう。
塗料を選ぶ際にはぜひラジカル制御塗料を検討してみてください。