セメント瓦は、セメントと砂などを主原料として成形した屋根材です。
屋根を長く使うには、築年数だけで寿命を判断せず、瓦や塗膜、下地の状態を定期的に確認することが大切です。
この記事では、セメント瓦の劣化サインやメンテナンス、劣化が進んだ場合の対処法を解説します。

 

セメント瓦の寿命を判断するポイント

セメント瓦の耐用年数は、製品、施工状態、気候、塗装や補修の履歴によって異なりますが、一般的に30~40年程度と言われています。

表面塗装と瓦の状態

セメント瓦の多くは、表面を塗装して仕上げています。
塗膜が劣化すると、色あせ、剥がれ、表面のざらつきなどが現れる場合があります。
一般的には、再塗装の時期は約10年~15年といわれています。
施工時の資料や塗料の仕様、実際の劣化状態を踏まえて判断しましょう。

確認したい劣化サイン

点検では、瓦のひび割れや欠け、ずれ、塗膜の剥がれ、棟部分の傷みなどを確認します。
コケや藻は湿気の多い場所などにも発生するため、それだけで雨漏りや瓦の寿命とは判断できません。
ひび割れやずれによって雨水が屋根内部へ入ると、下葺き材や木造下地の腐朽につながる可能性があります。

セメント瓦のメンテナンス方法

屋根へ自分で上ると転落する危険があります。
地上から見える範囲に異変がある場合や、台風や地震の後に不安がある場合は、住宅を建築した事業者や屋根工事業者へ相談しましょう。

点検と清掃

点検時期は、施工時の維持保全計画、製品情報、建物の立地条件などに合わせて決めます。
高圧洗浄は塗装前の下地処理などで使われますが、瓦の状態や水圧によっては表面を傷めたり、屋根内部へ水が入ったりする可能性があります。
居住者が自分で行わず、施工方法を業者へ確認してください。

再塗装を検討する場合

瓦本体に大きな割れや欠けがなく、主な問題が塗膜の劣化である場合は、再塗装を検討できます。
塗装は表面の保護に役立ちますが、割れた瓦や傷んだ下地を直すものではありません。
塗装前に瓦、下葺き材、棟部分などを点検し、必要な補修を確認しましょう。

劣化が進んだセメント瓦の対処法

瓦の割れや雨漏りが広範囲に及ぶ場合は、部分交換または葺き替えを検討します。
葺き替えでは既存の瓦を撤去するため、下地の状態を確認して補修できます。
既存の屋根材を残して新しい屋根材を重ねるカバー工法は、屋根の形状、重量、下地の状態などによって適否が異なります。
セメント瓦へ一律に採用できる方法ではないため、構造や施工条件を確認せず、費用だけで選ばないことが重要です。
なお、古い屋根材を撤去・改修する工事では、法令に基づき施工業者が石綿含有建材の有無を事前調査する必要があります。
所有者は自己判断で瓦を割ったり削ったりせず、調査結果を業者へ確認しましょう。

まとめ

セメント瓦の寿命や再塗装の時期は一律ではなく、製品、施工状態、環境、劣化状況によって異なります。
ひび割れやずれ、塗膜の剥がれなどのサインを見逃さず、定期的に状態を確認することが大切です。
劣化が進んだ場合は専門業者へ相談し、再塗装、部分補修、葺き替えなどから適切な方法を選びましょう。