外壁の塗膜に剥がれが見られると、見た目の問題だけでなく、建物の耐久性にも影響があるのではないかと心配になるものです。
なぜ塗膜は剥がれてしまうのでしょうか。
その原因は、施工時の問題から、時間の経過による自然な劣化まで、さまざまに考えられます。
また、剥がれた状態を放置することには、さらなるリスクが伴います。
今回は、外壁塗膜の剥がれの原因、放置することのリスク、そして適切な補修について解説します。

外壁塗膜剥がれはなぜ起きる

施工不良が原因の場合

外壁塗膜の剥がれは、塗装工事における施工不良が原因で発生することが少なくありません。
主な原因としては、下塗り材の選択ミスが挙げられます。
外壁材の種類や下地の状態に合わない下塗り材を選んでしまうと、塗料がうまく密着せず、剥がれにつながります。
また、下塗り材に限らず、塗料メーカーが定めた基準塗布量を守らずに薄く塗ったり、塗布量が少なかったりすると、塗膜に十分な厚みや強度が確保されず、剥がれやすくなります。
さらに、塗装前の下地処理が不十分な場合も、剥がれを引き起こします。
高圧洗浄で外壁の汚れや古い塗膜、コケなどを十分に落としきれていなかったり、洗浄後の乾燥が不十分なまま塗装を進めたりすると、塗料の密着が悪くなります。
クラック(ひび割れ)の補修が甘い場合や、古い塗膜やサビをきれいに除去するケレン作業が不十分な場合も同様です。
塩化ビニルや金属部など、本来塗料が付きにくい素材に対して、表面を荒らす「目荒らし」といった下準備を怠った場合も、塗料が剥がれやすくなる原因となります。
これらの施工不良は、塗装後比較的早い段階、例えば塗装後1~3年程度で剥がれとなって現れることが多いとされています。

経年劣化が原因の場合

外壁は、常に紫外線や雨風、温度変化といった過酷な環境にさらされており、塗膜も時間とともに自然と劣化していきます。
塗料の種類によって耐久年数は異なり、アクリル塗料(約3~5年)、ウレタン塗料(約5~7年)、シリコン塗料(約7~10年)など、耐用年数が短い塗料ほど、早く劣化が進む傾向があります。
塗装後、10年程度経過したり、塗料の耐用年数を過ぎたりした頃に発生する剥がれは、経年劣化によるものである可能性が高いと考えられます。
しかし、塗料の種類や、外壁が置かれている周辺環境(日当たりの良さ、塩害、排気ガスなど)によっては、本来の耐用年数よりも早く劣化が進み、剥がれが生じることもあります。

外壁塗膜剥がれ放置のリスクと補修

雨漏りなど二次被害の発生

外壁の塗膜剥がれを放置することは、建物の耐久性にとって非常に危険です。
剥がれた箇所からは雨水が外壁内部へと浸入しやすくなり、次第に建物の構造体や内部に達して、雨漏りを引き起こす直接的な原因となります。
さらに、建物内部に浸入した水分は、結露を招き、室内のカビ発生や建材の腐食、断熱・防水機能の低下などを引き起こす可能性があります。
これにより、建物の寿命が縮まってしまうことも懸念されます。
一度剥がれが発生した箇所は、その範囲が広がりやすく、建材全体に悪影響が及ぶリスクが高まるため、早めの対応が不可欠です。

業者への相談と保証確認

外壁の塗膜剥がれを見つけた際は、まず専門の塗装業者に相談し、状態を正確に診断してもらうことが肝心です。
業者に依頼することで、剥がれが施工不良によるものか、経年劣化によるものかの判断や、補修の必要性、おおよその費用などを把握することができます。
もし、剥がれが施工不良によるものであった場合、塗装工事の保証が適用され、無償で補修してもらえる可能性があります。
業者独自の保証(自社保証)は、期間や内容が業者によって大きく異なりますので、契約前はもちろん、万が一の際に備えて、保証内容をしっかり確認しておくことが大切です。
塗料によってはメーカー保証が利用できる場合もありますが、一般的には業者の自社保証が中心となります。
万が一、業者との間でトラブルになった場合や、対応してもらえないといった事態になった際は、消費者センターなどの公的機関への相談も検討しましょう。
補修を依頼する際は、下地処理を丁寧に行う信頼できる業者を選ぶことが、建物の耐久性を維持し、再発を防ぐ上で非常に重要です。

まとめ

外壁塗膜の剥がれは、丁寧な下地処理や適切な材料選定が行われなかった施工不良、または紫外線や気候による塗膜の経年劣化が主な原因で発生します。
剥がれた状態を放置すると、雨漏りをはじめとする建物内部への浸水や構造体の腐食といった二次被害につながるリスクが高まります。
塗膜剥がれを発見した際は、放置せず速やかに専門業者へ相談し、原因の特定と適切な補修を行うことが大切です。
補修にあたっては、保証内容を事前に確認し、信頼できる業者に依頼することで、建物の耐久性を維持し、安心して暮らすことができます。