モルタル外壁は、その独特の風合いと耐久性から、長く愛されてきた外壁材です。
しかし、近年はサイディング材の人気が高まり、モルタル外壁を選ぶ方は減っています。
それでも、モルタル外壁ならではのメリットや、適切なメンテナンスによってその寿命を長く保てることを知れば、リフォームの選択肢として検討する価値は十分にあるでしょう。
今回は、モルタル外壁の種類選びから、長持ちさせるための具体的なメンテナンス方法まで、分かりやすく解説します。
ひび割れ対策やトラブルシューティングについても詳しく触れ、安心してモルタル外壁と付き合えるようサポートします。
これからリフォームを検討される方は、ぜひ最後までお読みください。
モルタル外壁の種類と選び方
一般的なモルタル外壁の種類
モルタル外壁は、セメント、砂、水などを混ぜ合わせた材料を、様々な手法で仕上げることで、多様な表情を生み出します。
主な種類として、リシン、スタッコ、吹き付けタイル、左官仕上げなどが挙げられます。
リシンは細かい砂状の骨材を吹き付けることでザラザラとした質感を、スタッコはリシンよりも大きな骨材を用いてより粗い質感を実現します。
吹き付けタイルは、タイル調の滑らかな仕上がりで、左官仕上げは職人の技によって様々な模様を表現できる、最もデザイン性の高い仕上げ方法です。
モルタル外壁の仕上げの種類と特徴
・リシン:粒状の骨材を吹き付けるため、コストを抑えられ、比較的短工期で施工できます。
ザラザラとした質感が特徴で、和風にも洋風にも合わせやすいデザインです。
しかし、ひび割れが発生しやすいという弱点があります。
・スタッコ:リシンよりも粒の大きい骨材を使用し、厚みのある凹凸のある仕上げとなります。
高級感があり、重厚な印象を与えますが、リシン以上にメンテナンスの手間がかかります。
・吹き付けタイル:タイルのような滑らかな表面が特徴です。
耐久性が高く、ひび割れにも強い傾向があります。
・左官仕上げ:職人がコテなどを使い、手作業で仕上げるため、デザインの自由度が非常に高く、オリジナリティあふれる外壁を実現できます。
しかし、職人の技量に左右されるため、仕上がりのクオリティにばらつきが生じる可能性があります。
費用も高くなる傾向にあります。
それぞれのモルタル外壁のメリットデメリット
それぞれの仕上げ方法には、それぞれにメリットとデメリットがあります。
例えば、リシンはコストパフォーマンスに優れていますが、ひび割れやすいというデメリットがあります。
一方、左官仕上げはデザインの自由度が高い反面、費用が高く、職人の技量に依存します。
吹き付けタイルは耐久性が高いですが、デザインのバリエーションは限られます。
ご自身の予算や好みに合わせて、最適な仕上げ方法を選択することが重要です。
予算とデザインを考慮した最適なモルタル外壁の選び方
モルタル外壁を選ぶ際には、予算とデザインの両方を考慮することが大切です。
コストを抑えたいのであれば、リシンがおすすめです。
しかし、耐久性やデザイン性を重視する場合は、吹き付けタイルや左官仕上げも検討しましょう。
最終的には、それぞれのメリット・デメリットを比較検討することが、最適なモルタル外壁を選ぶための近道です。
サンプルを実際に見て、質感や色合いを確認することも重要です。
外壁モルタルの耐久性向上とメンテナンス
モルタル外壁の弱点と劣化原因
モルタル外壁の最大の弱点は、ひび割れです。
これは、モルタル自体の乾燥収縮や、地震、地盤沈下などによって起こります。
また、経年劣化による塗膜の劣化も、ひび割れや雨漏りの原因となります。
さらに、紫外線による塗料の劣化(チョーキング)や、汚れの付着なども、モルタル外壁の寿命を縮める要因となります。
ひび割れを防ぐための施工時の注意点
ひび割れを予防するためには、施工時の丁寧な作業が不可欠です。
下地処理をしっかり行い、モルタルの配合を適切にすること、そして、乾燥条件を管理することで、ひび割れの発生を抑制できます。
また、地震や地盤沈下による影響を軽減するためには、適切な補強工事を行うことも有効な手段です。
モルタル外壁の適切なメンテナンス頻度と方法
モルタル外壁のメンテナンス頻度は、使用する塗料の種類や気候条件、建物の状況によって異なりますが、一般的には7~10年に一度、塗装を行うことが推奨されています。
メンテナンスには、高圧洗浄による汚れ落とし、ひび割れの補修、そして、新しい塗料による塗装が含まれます。
定期的な点検を行い、早期に劣化を発見することが、大きな修繕費用を抑えることに繋がります。
長持ちさせるための具体的な対策と費用
モルタル外壁を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスに加え、日頃から適切なケアを行うことが重要です。
例えば、雨上がりの際には、壁面に付着した汚れを洗い流すことで、汚れの蓄積を防ぎます。
また、植木の枝などが壁に当たらないように管理することも、ひび割れ予防に役立ちます。
メンテナンス費用は、使用する塗料の種類や面積によって大きく変動しますが、事前に費用を比較検討することが重要です。
モルタル外壁のトラブルシューティング
・ひび割れ:ひび割れの大きさや深さによって対処法が異なります。
ヘアークラック程度であれば、塗装時に補修することも可能です。
しかし、構造クラックの場合は、専門業者に補修工事の依頼が必要です。
・チョーキング:塗料が劣化し、粉状になる現象です。
防水性が低下しているため、早急に塗装を行う必要があります。
・汚れ:高圧洗浄で汚れを除去します。
ひどい汚れの場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。
・雨漏り:ひび割れや塗膜の剥がれなどが原因の場合が多いです。
原因を特定し、適切な補修を行う必要があります。
まとめ
今回は、モルタル外壁の種類、選び方、そして、長持ちさせるためのメンテナンス方法について解説しました。
モルタル外壁は、適切なメンテナンスを行うことで、その美しい外観と高い耐久性を長く保つことができます。
ひび割れなどのトラブルを未然に防ぐためには、定期的な点検と適切な対処が重要です。
また、専門業者に相談することで、最適なメンテナンス方法や費用についてアドバイスを受けることができます。
この記事が、モルタル外壁に関する皆様の疑問を解消し、リフォームの意思決定に役立つことを願っています。