スレート屋根は、年月とともに劣化が進んでいきます。
適切な時期に適切なメンテナンスを行わなければ、思わぬ事態に繋がる可能性も。
この記事では、スレート屋根の劣化症状と寿命を迎えた際の適切なメンテナンス方法について解説します。

スレート屋根の劣化症状を理解する

スレート屋根は、一般的に15〜20年で寿命を迎えます。
経年劣化が進むと、様々な症状が現れ始めます。

1:ひび割れ

スレートは、雨などで水分を含むと膨張し、乾燥すると収縮を繰り返します。
この繰り返しによって、スレートに歪みが生じ、ひび割れが発生します。

2:色褪せ

スレートに塗布された塗膜は、紫外線によって劣化し、色褪せていきます。
色褪せは、屋根の美観を損なうだけでなく、スレートが水分を吸収しやすくなる原因にもなります。

3:反り

ひび割れと同じように、水分を吸収して膨張し、乾燥を繰り返すことでスレートが反ってしまうことがあります。
反ってしまったスレートは、元の状態に戻ることはありません。

4:コケの発生

スレート屋根は、湿気がこもりやすく、コケが発生しやすい環境です。
コケは、スレートの表面に付着し、美観を損なうだけでなく、スレートの劣化を加速させる原因にもなります。
これらの劣化症状を早期に発見することで、適切なメンテナンスを行い、住居の安全と資産価値を守ることができます。

寿命を迎えたスレート屋根の適切なメンテナンス方法

スレート屋根の寿命を迎えた際には、カバー工法と葺き替え工事の2つの方法があります。

カバー工法

カバー工法は、既存の屋根を撤去せずに、その上に新しい屋根を重ねて葺く方法です。

1:メリット

既存の屋根を撤去する必要がないため、費用を抑えることができます。
・工期が短縮できます。

2:デメリット

・下地の状態によっては、カバー工法ができない場合があります。
・重量が増加するため、構造的に問題がないか確認する必要があります。

葺き替え工事

葺き替え工事は、既存の屋根を完全に撤去し、新しい屋根を葺き替える方法です。

1:メリット

・下地の状態に関わらず、施工できます。
・新しい屋根材を選べるため、デザイン性や耐久性を向上させることができます。

2:デメリット

・カバー工法よりも費用が高額になります。
・工期が長くなります。

塗装工事

塗装工事は、スレート屋根の表面に塗料を塗ることで、美観を回復させる方法です。

1:メリット

・カバー工法や葺き替え工事よりも費用が安価です。
・短時間で施工できます。

2:デメリット

・屋根の寿命を延ばす効果はありません。
・塗装の剥がれや劣化によって、再び塗装が必要になる場合があります。

スレート屋根の寿命を迎えた際には、それぞれのメンテナンス方法の特徴を理解し、住居の状況に合わせて最適な方法を選択することが重要です。

まとめ

スレート屋根は、経年劣化によって様々な症状が現れます。
早期に劣化症状を発見し、適切なメンテナンスを行うことで、住居の安全と資産価値を守ることができます。
寿命を迎えたスレート屋根のメンテナンスには、カバー工法と葺き替え工事の2つの方法があります。
それぞれの方法にはメリットとデメリットがありますので、住居の状況に合わせて最適な方法を選択しましょう。
塗装工事は、あくまで美観上の問題を解決するものであり、屋根の寿命を延ばす効果はありません。