築10年以上経った家を所有しているあなたは、そろそろ家のメンテナンスについて考え始めているのではないでしょうか。
特に、外壁の素材として人気が高いALC(軽量気泡コンクリート)は、その耐久性から長く安心して住めると思われがちですが、実はシーリングと呼ばれる目地の処理が、建物の寿命を左右する重要なポイントとなります。
この記事では、ALC外壁のシーリングの劣化症状や寿命、メンテナンス時期の目安、具体的な対策方法について解説することで、あなたの大切な家を長く快適に保つための情報を提供します。

ALCに使われるシーリングとは?

ALC外壁は、軽量で強度があり、施工性も優れていることから、近年多くの住宅で採用されています。
しかし、ALCパネルは、複数の板を継ぎ合わせて施工されるため、そのつなぎ目に隙間が生じてしまいます。
この隙間を埋めるために使用されるのが、シーリング材です。

1:シーリング材の役割

シーリング材は、ゴムのような伸縮性のある素材で、外壁の継ぎ目を埋めることで、雨水の浸入を防ぎ、建物の揺れや振動による外壁の破損を防止する役割を担っています。

2:シーリング材の劣化と雨漏りのリスク

シーリング材は、紫外線や風雨にさらされることで、経年劣化が進んでいきます。
劣化が進むと、シーリング材が硬化したり、ひび割れが発生したりし、防水性能が低下してしまいます。
その結果、雨水が外壁の内部に侵入し、雨漏りを引き起こす可能性があります。

3:シーリング工事の種類

シーリングの劣化が進むと、補修工事が必要になります。
シーリング工事には、大きく分けて「打ち替え」と「打ち増し」の2種類があります。

・打ち替え
打ち替えは、劣化が進行したシーリング材を完全に取り除き、新しいシーリング材を充填する工事です。
耐久性が高く、雨漏り防止効果も期待できます。

・打ち増し
打ち増しは、劣化が軽微な場合に行う補修方法です。
既存のシーリング材の上に、新しいシーリング材を重ねて充填します。
打ち替えに比べて工期が短く、費用も抑えられますが、耐久性は打ち替えに劣ります。

ALCシーリングの劣化症状と寿命

ALC外壁のシーリングは、他の外壁材に比べて、劣化しやすいと言われています。
これは、ALC外壁は防水シートが貼られていないため、シーリング材が直接雨風にさらされるためです。

1:ALCシーリングの劣化症状

ALCシーリングの劣化症状には、以下のものがあります。

・シーリング材の硬化
シーリング材が硬化すると、弾力性が失われ、ひび割れが発生しやすくなります。

・シーリング材のひび割れ
ひび割れは、雨水の浸入経路となり、雨漏りを招きます。

・シーリング材の剥がれ
シーリング材が剥がれると、外壁の隙間が露出してしまい、雨水が侵入しやすくなります。

2:ALCシーリングの寿命

ALCシーリングの寿命は、使用するシーリング材の種類や施工方法、建物の環境などによって異なりますが、一般的には5年から10年程度と言われています。

3:メンテナンス時期の目安

ALCシーリングのメンテナンス時期は、築10年を目安に、定期的に点検することをおすすめします。
特に、以下の症状が見られる場合は、早急に専門業者に相談しましょう。

・シーリング材にひび割れや亀裂がある
・シーリング材が硬化し、弾力性が失われている
・シーリング材が剥がれている
・雨漏りが発生している

まとめ

ALC外壁のシーリングは、建物の寿命を左右する重要な部分です。
シーリングの劣化は、雨漏りなどの深刻な問題を引き起こす可能性があるため、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。
築10年を目安に、シーリングの状態をチェックし、必要に応じて専門会社に相談しましょう。
適切なメンテナンスを行うことで、ALC外壁の寿命を延ばし、快適な住環境を長く保つことができます。