築年数の経ったモルタル外壁の劣化が気になる、そんな方は少なくないのではないでしょうか。
モルタル外壁は、安価で耐久性に優れていることから、かつては多くの住宅に使用されてきました。
しかし、年月が経つにつれて、ひび割れやチョーキングなど、様々な劣化症状が現れてきます。
今回は、モルタル外壁の塗り替えについて、メリット・デメリット、劣化症状別の対処法、費用対効果などを詳しく解説していきます。
□モルタル塗り替え|メリットとデメリットを比較
モルタル外壁のリフォーム方法として、塗装と張り替えの2つがあります。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、自分の家の状況に合わせて適切な方法を選ぶことが大切です。
1: 塗装のメリット
・費用が安い
塗装は、張り替えに比べて費用を抑えられます。
30〜40坪程度の住宅で、70〜120万円程度で済むケースが多いです。
・工期が短い
塗装は、張り替えに比べて工期が短く、短期間でリフォームが完了します。
2: 塗装のデメリット
・下地が劣化している場合は効果が限定的
塗装は、あくまでも表面の仕上げなので、下地が劣化している場合は効果が限定的です。
例えば、モルタル自体が劣化して強度が低下している場合や、ひび割れが深い場合は、塗装だけでは根本的な解決になりません。
3: 張り替えのメリット
・耐久性が高い
張り替えは、外壁を新しくするので、耐久性が高いです。
・デザインの自由度が高い
張り替えであれば、様々な種類の外壁材を選べるため、デザインの自由度が高いです。
4: 張り替えのデメリット
・費用が高い
張り替えは、塗装に比べて費用がかかります。
30〜40坪程度の住宅で、200〜290万円程度かかるケースが多いです。
・工期が長い
張り替えは、塗装に比べて工期が長くなります。
□モルタル外壁の劣化症状と適切な対処法
モルタル外壁に見られる一般的な劣化症状には、以下のようなものがあります。
1: ヘアークラック
ヘアークラックは、0.05〜0.3mm未満の浅いひび割れのことです。
モルタルの乾燥による収縮や、温度変化による膨張と収縮によって発生します。
ヘアークラックは、見た目の問題だけでなく、そこから雨水が侵入し、モルタル内部を腐食させる可能性もあります。
対処法としては、コーキング剤やシーリング剤を使って隙間を埋めるのが一般的です。
2: 構造クラック
構造クラックは、0.4mm以上の深いひび割れのことです。
モルタルの強度が低下していることが原因で発生します。
構造クラックは、雨水が侵入しやすく、建物の強度にも影響を与えるため、早急に対処が必要です。
対処法としては、ひびの周囲をV字またはU字にカットし、コーキング材を充填して隙間を埋めるのが一般的です。
その後、弾性塗料などを使い、外壁表面を保護します。
3: チョーキング現象
チョーキング現象は、外壁を触ると手に白い粉のようなものが付く現象です。
塗料の劣化によって発生します。
チョーキングは、塗膜の防水性が低下していることを示しています。
雨水が浸入しやすくなり、カビやコケの発生原因にもなります。
対処法としては、高圧洗浄によって外壁をきれいに洗い流し、その後、塗膜の塗り替えを行います。
4: 浮き・剥がれ
浮き・剥がれは、塗膜と下地との接着が剥がれてしまう現象です。
原因としては、下地処理が不十分であったり、塗料の品質が劣っていたり、塗膜の厚みが不足していたりすることが考えられます。
対処法としては、剥がれた部分を丁寧に除去し、下地処理をしっかりと行った上で、新しい塗膜を塗り替えます。
5: カビやコケ
カビやコケは、湿気が多く、日当たりの悪い場所に発生しやすいです。
カビやコケは、見た目だけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
対処法としては、高圧洗浄によって外壁をきれいに洗い流し、その後、防カビ・防藻剤を塗布します。
□まとめ
モルタル外壁の塗り替えは、費用や工期、デザイン、耐久性など、様々な要素を考慮する必要があります。
この記事で紹介した内容を参考にして、自分の家の状況に合った最適な方法を選びましょう。
もし、自分で判断が難しい場合は、当社のような専門業者に相談することをおすすめします。