パミール屋根の塗装は、実はおすすめできません。
築年数の経過とともに、パミール屋根の劣化が気になる方も多いのではないでしょうか。

「せっかくなら綺麗に塗装して、長く住みたい」
そう考えている方もいるかもしれません。

しかし、パミール屋根の塗装は、素材や構造に合わず、かえって劣化を早めてしまう可能性があるのです。
この記事では、パミール屋根の塗装がNGな理由や、適切なメンテナンス方法について解説していきます。

□パミール屋根の塗装はなぜNGなのか?

パミール屋根は、セメントと繊維を混ぜて作った、薄い板状の屋根材です。
軽量で施工がしやすいことから、1980年代後半から広く普及しました。

しかし、パミール屋根は、他の屋根材と比べて、いくつかの特徴があります。

*耐久性の低さ

パミール屋根は、セメント系の素材のため、経年劣化によって層状に剥がれてしまうという特徴があります。
これは、セメントと繊維の間に水分が浸透し、凍結と融解を繰り返すことで起こる現象です。
塗装をしても、剥がれ落ちた部分から再び水分が浸透し、劣化が進行してしまう可能性があります。

*通気性の重要性

パミール屋根は、内部の湿気を逃がすための通気層が重要です。
塗装を行うと、屋根の表面が覆われてしまい、通気性が悪くなってしまいます。
その結果、湿気がこもり、カビや腐食が発生するリスクが高まります。

*熱による影響

パミール屋根は、セメント系の素材のため、熱に弱く、塗装によって表面温度が上昇すると、変形やひび割れが発生する可能性があります。

これらの理由から、パミール屋根の塗装は、効果が期待できないだけでなく、かえって劣化を早めてしまう可能性があるのです。

□劣化症状でわかるパミールの判別

パミール屋根は、他の屋根材と比べて、独特の劣化症状が現れます。
これらの症状を見れば、パミール屋根かどうかを判断できます。

1:層状剥離

パミール屋根の最も特徴的な劣化症状です。
屋根材が、ミルフィーユのように薄い層状に剥がれていくのが特徴です。
これは、セメントと繊維の間に水分が浸透し、凍結と融解を繰り返すことで起こる現象です。

2:先端部の劣化

パミール屋根の先端部は、他の部分よりも劣化が進行しやすい傾向があります。
これは、先端部が雨風に直接さらされるためです。

先端部が白っぽくなったり、剥がれ落ちたりしている場合は、劣化が進行している可能性があります。

3:釘の腐食による屋根欠落

パミール屋根は、釘で固定されています。

しかし、一部の釘は、経年劣化によって腐食し、屋根材が剥がれてしまうことがあります。
特に、屋根の端や、雨水が溜まりやすい部分では、注意が必要です。

4:屋根材のズレ

パミール屋根は、経年劣化によって、屋根材がズレてしまうことがあります。
これは、釘が腐食したり、屋根材自体が劣化したりすることで起こる現象です。
屋根材がズレている場合は、早急に修理が必要です。

□まとめ

パミール屋根の塗装は、素材や構造に適していないため、剥がれやひび割れなどの問題を引き起こす可能性があります。

また、塗装によって通気性が損なわれ、湿気やカビが発生するリスクも指摘できます。

パミール屋根の適切なメンテナンス方法は、カバー工法や葺き替えです。
カバー工法は、既存の屋根の上に新たな屋根材をかぶせる工事で、葺き替えは、既存の屋根を撤去して新しい屋根と交換する工事です。